運動会シーズンと子どもの歯のケガ
こんにちは。
西明石にある歯医者、ゆたに歯科クリニックの中島です。
残暑も嘘のように、少し肌寒い秋らしい気温になってきましたね。
秋といえば運動会シーズン。
外で元気いっぱいに走ったり、跳んだり、転んだり…お子さんの成長を感じる行事でもありますね。
しかし、この季節は“歯のケガ”が増える時期でもあります。
今日は、運動会シーズンに多い「子どもの歯の外傷」について、予防ともしもの時の対応をお伝えします。
■ 運動会で多い「歯のケガ」とは?
子どもの歯のケガは、転倒やボールの直撃、ぶつかりなどによって起こることがほとんどです。
特に小学生低学年では、まだ運動のバランス感覚が十分でなく、顔から転倒して歯をぶつけるケースが多く見られます。
主な歯のケガには次のようなものがあります。
歯が欠ける(破折)
歯の一部が欠けたり、神経まで達する深い破損になることもあります。
歯がぐらつく(脱臼)
強い衝撃で歯がグラグラ動いたり、完全に抜けてしまうことも。
歯ぐきや唇のケガ
歯で唇の内側を切ってしまう、歯ぐきが腫れるなどの軟組織損傷も多く見られます。
■ もし歯が抜けてしまったら?
意外と多いのが、「歯が丸ごと抜けてしまった」というケース。
永久歯の場合、条件が良ければ再び元の位置に戻せる(再植できる)可能性があります。
そのため、正しい応急処置がとても大切です。
応急処置のポイント
抜けた歯を乾燥させない!
歯根膜という組織が生きていることが重要です。
歯を触るときは「根っこを触らない」ようにし、軽く水ですすぐ程度に。
牛乳や生理食塩水に浸して持参
清潔な容器に牛乳を入れて歯を浸すことで、歯根膜が長く生存します。
なければ、お子さんの口の中(ほっぺと歯ぐきの間)に入れて運ぶ方法もあります。
できるだけ早く歯科医院へ
理想は30分以内。時間が経つほど再植の成功率は下がります。
■ 乳歯がケガをした場合は?
乳歯の場合は無理に戻そうとせず、必ず歯科医院で診察を受けてください。
見た目は大したことがなくても、根の部分が損傷していたり、
次に生えてくる永久歯に影響が出ることもあります。
■ ケガを防ぐための工夫
運動靴のサイズ確認
サイズが合っていない靴は転倒の原因に。運動前にチェックを。
前歯の出っ張り(出っ歯)のあるお子さんは注意
衝撃を受けやすく、歯の外傷リスクが高まります。
必要に応じて、矯正治療やマウスガードの使用を検討してもよいでしょう。
マウスガードの活用
競技性の高いスポーツをするお子さんには、歯やあごを守るマウスガードがおすすめです。
市販のものより、歯科医院で作るオーダーメイドタイプがより安全で快適です。
■ まとめ
運動会は、子どもにとって一生の思い出になる大切なイベント。
その一方で、歯のケガは突然起こるものです。
「もしもの時」の知識と、日ごろの予防意識があれば、安心して楽しく過ごせます。
元気な笑顔で運動会を楽しむためにも、
ご家庭でも「歯のケガの対処法」を話題にしてみてくださいね。