口腔機能低下症にならないようにするには?
みなさんは「最近うまく噛めなくなった」「食事のときによくむせる」「滑舌が悪くなってきた」…そんな変化を感じたことはありませんか?
もしかすると、それは『口腔機能低下症(こうくうきのうていかしょう)』のサインかもしれません。
口腔機能低下症とは、お口の機能——たとえば噛む、飲み込む、話す、感じるといった働きが、加齢や生活習慣などによって衰えてしまう状態のことです。進行すると、食事や会話がうまくできなくなるだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。
今回は、この口腔機能低下症を予防するために今日からできることを、わかりやすくご紹介します。
1. よく噛んで食べることが基本
「よく噛んで食べましょう」とは昔からよく言われますが、これは口腔機能の維持にとても大切なことです。噛むことで、唾液の分泌が促され、口の中が清潔に保たれますし、顎の筋肉や舌の動きも活発になります。
ポイントは以下の通りです:
- 一口30回を目安に噛む
- 繊維質の多い食材(ごぼう、れんこん、きのこ類など)を積極的に
- 柔らかいものばかりに頼らない
2. 会話や歌でお口を動かそう
おしゃべりや歌うことも、立派なお口のトレーニングになります。声を出すことで舌や唇、喉の筋肉がしっかり使われるからです。特に高齢の方や一人暮らしの方は、意識して声を出す時間を作ると良いでしょう。
おすすめの習慣:
- 毎日10分でも誰かと話す時間を持つ
- 声に出して本を読む「音読」
- カラオケや好きな歌を歌うのも効果的!
3. 簡単にできる「お口の体操」
当院でもおすすめしているのが、「パ・タ・カ・ラ体操」。これは、舌や口周りの筋肉を鍛える体操で、毎日続けることで、**発音、嚥下(飲み込み)、咀嚼(そしゃく)**の力を保つことができます。
- パ → 唇の動きを鍛える(食べこぼし防止)
- タ → 舌の先の動き(発音や食べ物を送る力)
- カ → 舌の奥の動き(飲み込む力)
- ラ → 舌全体の柔軟性
1日5分程度でOK。朝の洗顔後や寝る前の習慣に取り入れてみてください。
4. お口の中をいつも清潔に
口腔機能を保つには、「むし歯」や「歯周病」を防ぐことも重要です。歯を失うと、当然ながら噛む力が落ち、食べられるものが限られます。それだけでなく、歯茎の状態が悪くなると飲み込みや発音にも影響が出てしまうのです。
- 毎日の歯みがきをていねいに(特に寝る前)
- 入れ歯の方も毎日のお手入れを忘れずに
- 定期的な歯科検診でチェックを
5. 歯科医院での「口腔機能チェック」も大切です
実は、口腔機能低下症は歯科医院で診断することができます。当院では、舌の動きや唾液の量、噛む力、発音などをチェックして、その人に合ったトレーニング法や生活習慣のアドバイスを行っています。
「自分はまだ大丈夫」と思っていても、早めのチェックが予防につながります。少しでも気になる症状があれば、お気軽にご相談くださいね。
まとめ
口腔機能は、毎日のちょっとした意識で守っていけます。
- よく噛んで食べる
- 声を出して会話や歌
- 「パ・タ・カ・ラ体操」を習慣に
- お口の清潔を保つ
- 定期的に歯科でチェック
これらを意識して、いつまでも『食べる・話す・笑う』*を楽しめる健康なお口を保ちましょう!
何かご不安なことがあれば、ぜひお気軽に当院へご相談ください。