第6回
歯の生え変わりについてお話させていただきます。
突然ですが、われわれ人間の歯は一生のうちに何回生え変わるでしょうか。
そうですね、一回だけですね。おおむね二歳半で乳歯が生えそろい、14になるころにはすべて永久歯に生え変わりますね。その後はずっと永久歯のままです。
それでは、他の動物はどうでしょうか。
実は、ジョーズでおなじみのサメやワニは一生のうちに何度も生え変わるんですね。
かれらは、獲物にかぶりついたり、敵と戦ったりするのですぐ歯がダメになってしまうのですぐに交換する必要があるのです。かけた歯がすぐに新しいのと入れ替わります。
なんだかうらやましいですね。
しかし、実際はサメや、ワニの歯は人間ほど複雑ではなく、ただ単に噛みちぎるくらいしかできないのです。ましてや触感を感じながら食べるなんてできないわけです。
一方で、人間の歯は一回しか生え変わらない代わりに、複雑な形をしており、前歯ではかみ切ったり、奥歯ではすりつぶしたりと様々な役割を持っています。
しっかり噛めて味わえる様にじっくり時間をかけて生え揃うわけなんですね。
そう、人間の歯は、食物を味わって噛むことができ、そこに喜びを感じとることができる唯一無二の臓器なのです。
文責 藤本朋大