シミュレーションのための仮歯(プロビジョナルレストレーション)

仮歯でシミュレーションすることは、ゆたに歯科でのこだわりの1つでもあります。

私たちは、常にその患者さんにとってベストであろうものを考えて歯を作ります。しかしながら、
歯と咬み合わせ、そして咀嚼には個人差、個体差がかなりあります。

そして歯を治す目的は、「咀嚼(そしゃく)の回復」でありますが、個人差、個体差があるため、
どうしても食べてみてもらわないと、その歯が完全にその患者さんの咀嚼にあっているかは
わからないのです。

ゆたに歯科クリニックでは、患者さんがきっちり快適に食べられるようになることが、
治療のゴールだと考えています。つまり歯が入っても、噛むと痛かったり、あまり食べられない
ようでは、機能が回復したとは言えないからです。

実は、よく噛める歯ほど、咬頭(こうとう)とよばれる歯の山の部分が切り立っています。
しかしよく噛める歯は、咬頭が立っているため咬み合わせが数ミクロンずれるだけで、上下の歯が
干渉をおこします。つまりミクロンレベルでピンポイントで咬み合わせをつくらなければなりません。
ゆたに歯科クリニックでは、この繊細な部分に非常にこだわっています。これを成功させることが、
よく噛めて快適な歯をつくることと直結するからです。

逆にあまり噛めない歯は、歯の噛む面が丸く平らに(すり減るなどして)なっています。
この場合、咬み合わせは、多少ルーズでも干渉をおこすことはありませんが、これでは
切れない包丁で無理に切るようなもので、歯に負担がかかります。
つまり、早期に失うことにつながります。

人の歯の感覚は、ミクロン単位で感じることのできる高感度センサーを備えています。
このレベルのセンサーは身体の中で歯しかありません。咬み合わせが適当な歯をいれたりすると、
身体の健康を害しかねない繊細な部分なのです。つまり、それだけのモノが必要だからこそ、
そのような高感度なセンサー(神経ー受容器)が歯にそなわっているのです。

それだけのモノがある繊細な場所に、ぶっつけ本番で歯をいれることは実は非常に
リスクのあることなのです。

そのために、シミュレーション用の仮歯できっちり予行演習をおこない、ベストの状態に
してから本番の歯に移し替えれば、歯をいれてしまってからのトラブルのほとんどを
防ぐことができます。

 

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また、前歯などとくに見た目に美しいことが重要な部位では、審美性が重視されます。

しかしこれもまた、美しさの基準は個人によって大きくことなります。すこし丸みを帯びた
歯のほうがその方の笑顔になじむ場合もありますが、すこしシャープな歯の方が似合う場合もあります。
ぶっつけ本番で歯をつくっても、全体的には満足でも細かいところが気になったりする場合もあるでしょう。
だからこそ、プロビジョナルレストレーションといわれる仮歯でシミュレーションをおこないます。

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そして個人差、個体差があるのは、「咀嚼」や「見た目」だけではありません。
歯磨きのレベルも人によって違います。そのため、少々形態が複雑でも、きっちり磨く
ことができる方もいれば、とにかく磨きやすい形態でないあと駄目な方もいます。
たとえ治した歯が、見た目に美しく、快適であっても、歯磨きができなければ、
虫歯や歯周病になってしまいます。この歯の形態できっちりホームケアができるかどうか
シミュレーション用の仮歯で確認しなければ、その患者さんの手の器用さなどを
完璧に予測することは、ぶっつけ本番では不可能だからです。

これらの目的のためにゆたに歯科クリニックでは、シミュレーション用の特殊な機構を
搭載した仮歯(プロビジョナルレストレーション)で、予行演習やリハビリテーションを
きっちりおこなうことをおすすめしています。

上下前後の歯の位置関係を保つための仮歯(テンポラリーレストレーション)

歯の印象(歯のかたとり)を行った際に、もし仮歯を入れなければ、その歯と近隣の歯は、
少し動いて位置が変わってしまいます。歯をつくるのには、どうしても1週間くらいの時間が
必要です。仮歯のない状態が、例え1週間だけだったとしても多くの場合、型を
採ったときとできてきたときの歯の位置関係が変わってしまいます。そうすると、できてきた歯を
大きく削らないと入らなかったりして、できてきた新品の歯を削ってセットしようとします。
そのようなことをできるだけ減らすためには、テンポラリーレストレーションといわれる仮歯を
入れておく必要があります。

テンポラリーレストレーションとよばれる仮歯の目的は、その歯で食べるためではなく、位置を
変えないためなので、あまりその仮歯で食べない方が無難です。もしその仮歯が脱離してしまった
ら歯の印象からやり直ししないといけなくなるからです。(もし脱離してしまったらすぐ
ご連絡ください)。逆に前述したプロビジョナルレストレーションという仮歯は、食べられるか
どうか調べることが目的なわけですから、その仮歯で積極的に食べてみてもらわないと、
目的を果たせません。このように仮歯は、目的が違えば、患者さんに気を付けてもらうことがらも
変わります。ゆたに歯科では、かならずその仮歯の目的を説明いたしておりますので、
どうぞご安心ください。

とりあえずの仮歯(インテリムレストレーション)

しみる歯をカバーして日常支障度を一時的に回復したり、とりあえずの見た目の回復など、
緊急に歯を回復しなければならないことがあります。この場合、精密さよりも
素早さが優先されます。
機能回復はできませんが、スピード重視で作成する仮歯をインテリムレストレーションと
よびます。かぶせものを外して、虫歯や歯根の治療をおこなうときなどもイントリムレストレーション
と呼ばれる仮歯を作製することがあります。

治療用の仮歯(トリートメントレストレーション)

顎機能に問題があったり、すでに咬み合せそのものが患っている患者さんの治療を
おこなうとき、その患者さんの本来もっている咬み合せの位置がずれてしまっていて、
咬み合せる位置がどこかわからない場合があります。その場合咬む位置を探すことから
治療を始めなければなりません。

また、咬み合せがずれたまま長期間患ったままだった場合、咀嚼筋や顎関節に問題が
おきてしまっていたり、頭がい骨が歪んでしまっていたりすると、その問題のある咬み合せを
キャンセルして、身体や顎口腔系の回復を待った上で、咬み合せをつくりなおさなければ
ならないことがあります。

咀嚼筋や顎関節を正常作動するように回復することなどを目的として治療する場合に、
用いる仮歯をトリートメントレストレーションといいます。

かなり特殊な機構を搭載した仮歯ですので、ゆたに歯科では普通のむし歯治療にはあまり
登場しませんが、顎機能障害(顎関節症)があったり、咬み合せのズレがあって、単純に
むし歯の治療をしただけでは、咀嚼の回復ができない患者さんの、根本の原因を治療するときなどに
使用します。